●インプラントとは「人工の歯の根っこ」のことです
人間の歯は、親不知を含めると、全部で32本あります。 ご自分の歯を思い浮かべてみて下さい。 32本のそれぞれの歯は、それぞれ固有の形をしていますネ。
そして、とても不思議なことですが、 歯が生えてくるときに、 奥歯は奥歯の場所に、 前歯は前歯の場所に、 右の歯は右に、左の歯は左に、 上の歯は上に、下の歯は下に、 32本の歯が、それぞれの決められた場所に生えてきます。
それぞれの歯は、外から見える部分と、 歯ぐきや顎の骨に埋まっている根っこの部分から成り立っています。
インプラントが開発されるまでは、一度歯を失うと、 根っこのある自立した歯を再生することは出来ませんでした。
ブリッジや入れ歯など、 人間の知恵が生み出した素晴らしい技術で、 人工の歯(外から見える部分)を作ることは出来ましたが、 それは、根っこを持たないと言う点においては、 天然の歯とは全く異なるものであり、 「模型」の域を出るものではありませんでした。
インプラントは、ねじ釘のようなものを顎の骨に埋め込み、 埋め込んだねじに人工の歯を取り付けるものです。 ですから、構造的には、天然の歯と同じ構造をしています。 周りの歯に頼ることなく、自らの根っこで自立している。 インプラントの素晴らしい利点です。
●歯に根っこがあることの意味
インプラントが人工の歯の根っこである ということはご理解いただけたでしょうか。 では、歯の根っこが有ることと、歯の根っこが無いことでは、 どのような違いがあるのでしょうか。
私は歯科医師ではありませんので、 専門的な用語で解説することは出来ませんが、 私が知る範囲で、その違いを挙げてみたいと思います。
まず第一に、先にも述べたとおり、 自立できるかできないかという大きな違いがあります。
根っこのない歯は、周りに頼らなければ、存在できません。 自立できないと言うことは、 他に負担をかけるということでもあります。
第二に、根っこがあることで、 歯にかかる大きな力を支えることが出来ます。
外から見える部分がいくら丈夫でも、 顎の骨にのっかっているだけでは、役に立ちません。 顎の骨というしっかりとした土台に、 埋まっている部分があるから、 大きな力を支えることができるのです。
入れ歯と天然の歯では、ものを噛む力が全く異なります。 実は適切に固定されたインプラントは、 天然の歯よりも大きな力を支えることができるのです。
第三に、歯に根っこがあるということは、 顎の骨に適度な刺激が加えられることにつながります。
入れ歯は、歯ぐきの上にのせてあるだけです。 この状態では、顎の骨に刺激が加わりません。 顎の骨を使用していない状態なのです。
家は人が住まなくなると傷みが早くなりますね。 入れ歯を使用している顎の骨も同様です。 使用しなくなった顎の骨は、日に日にやせていきます。
作ってもらった時には、ぴったりだったはずの入れ歯が、 じきに合わなくなるのは、このためです。
入れ歯があわなくなるだけではありません。 顎の骨がやせると、口がすぼんだ感じ、 いわゆる老人特有の顔つきになってきます。 若さを保つためには、顎の骨にも適当な刺激が必要なのです。
第四に、歯の根っこの有る無しは、味覚に影響します。
根っこのある歯でものを噛むから、 食べ物をおいしく感じることができるのです。
食べることを楽しめるかどうか、 このことは、人が、人として、生きていく上で、 とても大きな要素であると感じます。